季節は移ろい、命もまた、巡るのだろう(週末日記)

f:id:je_suis_h:20210428142202j:plain


毎日日記を書くのは無理だけど、3日に一回くらいならかけるかもしれない。と思い、はじめてみました。週末日記って書いてるけど、平日書く場合もあります。

 

金曜日

祖母に重篤な病が見つかった。楽しくレモンサワーを飲みながら夕食を取った後だったから、なおさらに落差が大きく、現実味がまったく湧かなかった。
寝て起きたら全部夢であって欲しいと思いながらベッドに入ったものの、なかなか寝付けず、処方されている睡眠導入剤を1錠追加して飲んだ。
薬を飲もうとキッチンに行くために起きたとき、いぬはベッドの真ん中でお腹を出してぐーすか寝ていた。その寝姿に救われた気がした。

土曜日

起きたら昨日のことは全部夢で、「今日は金曜日の朝です!」というのを期待していたけれど無理だった。シュタインズゲートは開かれない。油断すると気持ちがすぐに落ち込むので、無理をして明るく振る舞うなどしてみた。変な踊りを踊ったり。
午後になると雷と雨風が強くなった。気象病なので、雨はあまり好きではないけれど、ああ、これでまたひとつ冬が終わって、春になるんだなと、窓ガラスに打ちつける雨を見ながら思った。
私を元気付けるためなのか、自分が食べたいだけなのか、夫が焼肉に連れて行ってくれた。食べている間中、「これを祖母にも食べさせてあげたい」と思うばかりで、帰宅後シャワーを浴びながら泣いてしまった。当たり前のように、まだあと何年も祖母の作った味噌や野菜やご飯が食べられると思っていたし、時々LINEで電話をしながら他愛もないおしゃべりをするもんだと思い込んでいた。こんなに唐突に、その未来が閉ざされるなんて思いもしなかった。

日曜日

まだベッドで微睡んでいる私に夫が「ランニングついでにサウナ行ってくる」と声をかけ、出かけて行った。なんとも健康な人だ。もうちょっと寝ようと思っていたところにインターホンが鳴った。父からのホワイトデーのお返しだった。大きめのマグにたっぷりコーヒーを淹れて、届いたばかりのチョコレートタルトを食べた。
ベランダの緑の手入れをする前に日焼け止めを塗らないとと思い、顔を洗ってスキンケアをして、簡単にメイクを済ます。ついでに洗面台の掃除も。そうこうしているうちに、すっかりトトノッた夫が帰宅。たいそう満足そうにしていた。いいことだ。
ベランダの緑がとにかく元気。新芽だらけで見ているだけで癒される。「あなたは植物を育てるのが上手ね」と祖母に褒められたことを思い出す。たくさんの植物や野菜たちを大切に育ててきたあなたの孫だからだよ、ばあば。
わんこの散歩がてら、仲良くしてもらっているマスターのワインバーでランチ。いつものペースで呑んだはずなのに、帰宅したら具合が悪くなってしまった。精神的なものも関係あるのかなあ。ワインはとてもおいしかった。
休憩して、夕飯の支度。今夜は近くに住む妹も一緒に食事をする。豚味噌炒めとケールのソテーと豚汁を作った。妹がいると話がついついはずむ。
妹が帰った後に、母から次に帰省する時には喪服を持って帰るようにと連絡があった。嫌だ。そんなの絶対に嫌だ。でも、その時はジリジリと私たちに近づいてきている。

———————————————————————-

余談

死を前にした時、どうしてもネガティブな方に気持ちが向きがちになるけど、その人がどれほど愛を与えてくれたかを振り返り、どうすれば私たちがその人にたくさんの愛を返して、愛に満ちた状態でその時を迎えることができるのかを考えることこそ大事だなと思う出来事があった。

正直すごくつらいしすごく悲しい。自分の無力さに苛立ちもする。

でもどうにかして、ばあばを愛で満たして満たして、神様のところに連れて行ってあげたい。悲しみや後悔が入る隙間がないほどに愛で満たす。神の恩寵がばあばに降り注ぐために。